太陽白露様に捧げます




(ご都合主義設定inマイソロ3)




自分がおかしいと気づいたのはいつからだったろうか。そんなこと、もう忘れてしまったけれど何となくそんなことを考えた。憧れから始まって、それでも最初から目で追っていた気がする。その大きな瞳が輝くように笑う姿が好きだった。ずっと隣にいたいと思うようになったのは最近なんかではなくて。俺の隣で、その綺麗な瞳の中に俺だけをいれてほしい。そんなことばかりを考えるようになっていた。この名も分からない不可思議な感情がやけに胸の中を燻って気持ちが悪い。それでも嫌ではなかった。どこか甘いような蕩けるような、そんな感じがしたからだ。何となく、何となくだけど初めから全て分かっていたのかもしれないなと、今考えればそう思う。



「カイル、そりゃお前、恋ってやつだよ」



ロニが神妙な顔で発した言葉に驚くことはなかった。ただ淡々と、あ、これが恋ってやつなのか、なんて。自己分析できるくらいには冷静だった。はずだ。ロニは例のごとく俺が好きになった女の子は誰だと騒ぎ立ててきた。ああ、どうしよう。困ったことが起きた。
「女の子」
まずその答えは根本から間違っていた。リアラでも、ナナリーでも、ハロルドでもない。俺の好きで、大好きで、愛した人は、もっと俺にずっと近しい存在だ。彼女達のように出会って間もない浅い関係ではない。もう他人とは呼べない程だ。だって俺が好きになったその人物は、



「で、結局お前の好きになった人って誰なんだ」
「え?父さんだけど?」



瞬間ロニの絶叫が響き渡った。



***



「カイル、落ち着け俺の助言が悪かった許してくれ。だけどお前のそれは勘違いだ。俺が断言しよう。だから、お願いだ。考え直してくれ。お前のそれは勘違い、勘違いなんだよ。わかってくれるか」
「どうして?ロニは何も間違ってないよ。俺は父さんが好きなんだよ。自分が一番分かってるんだ。確かに気づかせてくれたのはロニかもしれないけど、俺だって何となくは気づいてた。それでも父さんは俺の父さんだから、違うって思おうとして。でもダメだったよ。やっぱり俺はあの人以外愛せないんだ。気づいてしまったらもうダメだった。だってあんなに可愛いんだよ。父さん」
「………お、まえは………スタンさんがずっと隣にいなかったから感情が分からなくなっちまってんだよ。お前がスタンさんに感じてるのは家族としての………実際、お前はまだスタンさんのこと父さんって言って………」
「ロニ。俺、リオンおじさんに嫉妬したんだよ」


ロニが口を挟むのをやめた。信じられないといった表情で俺をみる。何故かそれがとても心地良かった。


「ウッドロウさんにも、フィリアさんにも嫉妬した。ジョニーさんやマリーさんにだって。だって、あの人たちは父さんを普通に愛すことができるんだよ。俺みたいに家族してじゃなくて、普通に「スタン」としての父さんを。父さんは沢山の選択肢のなかでルーティさんを選んだけれど、ルーティさんだって、最初は赤の他人だ。おかしな話だろ。俺は母さんも大好きだけど、父さんと仲良さげに話している母さんを見ると………たまに殺したくなるんだ。俺の父さんを取らないでくれって。はは。俺は母さんから産まれてきて、母さんのことも大好きなのにね。その母さんにまで………それでも、俺は父さんが好きなんだ。それだけはきっと変わらないんだ………そう、ずっと、」
「カイル、」





「だからね、俺は父さんって呼ぶことによって、父さんを独り占めしたいんだよロニ」




だって、父さんの「息子」は俺だけしかいないから。誰もスタンさんのことを父さんって呼べないだろ?俺はそれがとっても嬉しいんだ



ロニは何も言わなかった。ただ俯いていた。それでもきっと俺の考えを理解してくれたに違いない。だってロニは俺の兄弟だもの。血は繋がっていなくてもずっと一緒に育ってきた。そのロニが俺を否定するわけない。だから。




「………ロニも、協力してくれるよね?」



二人で父さんに近づく邪魔なやつらを消していこうよ!
そう言った俺にロニは、「ごめんなさいスタンさん」と謝った。



これも家族愛なんです!



とりあえずはリオンおじさんから始末しようね






――――

後書き


ふぉおおおおお、大変遅くなりました………!!
待たせた挙げ句にこの低クオリティ笑えない。
カイルさんがリオンを毛嫌う理由は、「一緒に育ってこなかった」からです。リオンだけでなく、他のメンバーにもこれは当てはまります。ルーティさんにも嫉妬はしますが自分を今まで大事に産んで育ててくれた人だから実際に危害は加えません。最後にロニが謝った理由はカイルを止められない自分を許してくれ、という意味です。長い解説すみませんでした!

これからも宜しくお願いいたします!

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